斎籐明赤のエクスタシー催眠術

今日は催眠と云う現象について書こうと思います。

催眠にかかっている人、いわゆる『被験者』は術師の言葉のとおりに行動したり、反応したりします。
非常に不思議ですよね。
そして、その催眠に誘導する際の手法も、ライターの炎をみせたり、ゆったりと言葉をかけるなどして被験者をまるで眠っているかのような状態に導きます。
見ようによっては、まるで魔法のようです。

その不思議な催眠と云う現象はどうして起こるのでしょうか？

たとえば、信号機の無いまっすぐな道路を延々と運転していると眠くなります。
刺激が少ないため、脳の活動が低下してくるからです。
ですから、長距離を信号なしで長時間走行する高速道路には、あえて刺激を与えるために緩やかなカーブがあるのだと聞きます。
読書やゲームをしているとき、あっという間に時間が過ぎてしまったという経験をお持ちの方も多いでしょう。
この状態が催眠状態です。

その度合いに個人差はありますが、人は単調な刺激を受けていると、ただそれだけでトランス状態に入っていきます。
例えばメトロノームの音だけを静かな部屋で聴いていると、ものの数分でトランス状態に入ってしまいます。
理由は、脳が過剰なエネルギーの消費を避ける為であるといわれています。

脳の役割は、物を考えたり記憶したりするだけでなく、身体のコントロールを一手に引き受けています。
ですから、人の脳はとてもエネルギーを必要とするのです。
単調な刺激を受けた脳は、余分なエネルギー消費を避けることが出来ると判断し、パソコンで言うところの休止状態になるのです。
そのような状態を人為的に、意図的に作るのが、催眠術なのです。
術師が炎に集中させたり、ゆっくり、ゆったりとした口調で語りかけるのはそのためです。

催眠術は、何か不思議な力が備わっていなければ出来ない,というものではなく、その仕組みと誘導を行うためのコツを覚えてしまえば誰にでも出来るのです。

次回は、その催眠でどんな事が出来るのかを書いてみたいと思います。